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損害賠償・慰謝料を請求するには

損害賠償について

損害賠償請求は契約違反や事故の場合などに発生します。事故の加害者に故意・過失があれば、被害者は損害の賠償を請求することが出来ます。

民法第709条

故意又は過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

内容証明で損害賠償請求する場合の注意点としては、

「自分がどのような損害を被ったのかを具体的に記載すること」

になります。なお、損害賠償は実損害を補填する考えですので、原則、実損害を超える額を請求することは出来ません。あくまでもマイナスをゼロに戻すのが損害賠償になります。


しかし、損害賠償にも様々なケースがあります。契約違反による損害賠償、交通事故による損害賠償などケースによって請求出来る範囲も異なります。


交通事故であれば、被害者に後遺症が残った場合、損害賠償額は大きく変動しますので、被害者としては安易に加害者と示談してはならないと言えます。特に、交通事故(人身事故)の場合は、一般の方が損害賠償額を算定することは難しいでしょうから、弁護士などの専門家に相談されることをおすすめします。


また、契約違反による損害賠償額は、契約書の中に金額が既に定められている場合も多々あり、余程法外な金額とならない限り、裁判所は損害賠償の額を増減することが出来ません。


その他、物を壊されたことによる損害賠償請求の考え方としては、物の買値ではなく、現在の価格を算定して請求することが必要になります。例えば、5年前に買った腕時計を壊されてしまった場合、当時は新品価格で20万円したとしても、現在は傷だらけであり、同程度の時計を中古で買った場合は、10万円だったとしたら、損害賠償額は10万円前後となるでしょう。


物損に関しては、原則として修理が可能かどうかを判断し、修理が可能であれば修理代を請求し、修理代が購入価格を上回るようであれば、現在の価格で算定するのが基本となります。

修理が不可能であれば、初めから現在の価格が損害賠償の価格となります。

慰謝料について

当事務所にご相談される方の中で、相手方に請求する金額に慰謝料を上乗せして請求したいというご要望を多く頂くのですが、ご相談内容を拝見させて頂くと、多くの方が慰謝料を請求する権利を持っていない場合が多いと言えます。「自分はこれくらいの精神的苦痛を負ったのだから、○○万円はもらいたい」という希望はあっても、請求する根拠(権利)がないことがほとんどです。


慰謝料とは、精神的苦痛により心に負った傷を金銭に換算して損害を賠償することを言います。しかし、慰謝料が成立するためには、精神的苦痛を負った原因に「不法行為」が成立している必要があります。この不法行為が成立していない場合、ご自身としては精神的苦痛を負ったと感じたとしても、法的には慰謝料を請求することが出来ません。慰謝料を請求する際は、まずは不法行為が成立しているかどうかを基準に判断して下さい。最も、相手方が任意に慰謝料を支払う分に関しては問題ありません。

民法第710条

他人の身体、自由もしくは名誉を侵害した場合または他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、第709条の規定により損害賠償の責任を負うものは、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

次に、精神的苦痛とは、身体・自由・名誉・財産を侵害した場合に生じるとされています。


但し、財産上の侵害による慰謝料が訴訟で認められることはまずありません。愛着のある車に傷を付けられたとしても、慰謝料は認められません。傷の修理にかかる費用が認められるだけとなります。慰謝料が認められるケースというのは、離婚や婚約破棄による精神的苦痛や近親者が殺されたケースなどです。


以上のことから、慰謝料が認められるには、客観的に精神的な損害により大きな被害を被ったと認められる必要があり、主観的に精神的損害を被ったとしても、慰謝料は認められないことになります。また、軽微な損害では認められないということもご理解頂けるかと思います。


慰謝料の額の算定は、一応の目安はあるものの、裁判官の自由裁量により決められます。しかし、この自由裁量の基準も、最初に請求した金額に左右されますので、訴訟で慰謝料を請求する際は、法外な金額にならない程度に請求する必要があります。


慰謝料の金額は世間一般で思われている程高額にはなりません。恐らくは、芸能人の離婚の際に慰謝料数億円などと報じられることが多かったり、海外での数億円の慰謝料が認められたケースなどを耳にするからだと思います。芸能人の慰謝料は任意に支払っているだけで、裁判になった場合は、それ程高額にはならないはずですし、海外の場合は、懲罰的請求が認められているため高額になることが多々ありますが、日本の法律では懲罰的請求が認められていないため、海外のように高額な慰謝料を支払って頂けることはまずありません。


しかし、一般の方には慰謝料の相場など分からないでしょうし、専門家でさえ慰謝料の算定には悩まされます。精神的苦痛は人それぞれで、明確な基準などありません。ただ、裁判になった場合の相場はありますので、慰謝料を請求する際は、事前に弁護士など専門家に相談されると良いでしょう。


内容証明で相手方に慰謝料を請求する段階では、100万円程であれば、ある程度ご自身が思った金額を記載しても良いですが、数千万円から数億円単位の請求の場合は、個人の事案であれば、殺人事件ぐらいのことでもない限り、逆に内容証明を作成したのが素人であることが相手方にバレてしまう可能性があります。


慰謝料や損害賠償といった貸金請求などより法的根拠の判断が難しい事案については、ご自身で進めるのではなく、出来る限り専門家の意見を聞くか、訴訟自体を弁護士に依頼してしまった方がいいと言えます。

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