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契約書Q&A

質問1

契約書のタイトルはどのように決めればいいですか?

回答1

どのようなタイトルをつけても構いません。

但し、タイトルと契約書の内容が異ならないように、タイトルは契約内容を一目で分かるようなものにするとよいでしょう。 タイトルで「○○契約書」にしようか「○○覚書」にしようか悩まれている方がいらっしゃいますが、このような違いで契約の効力に影響が出ることはないので、それほど神経質になる必要はありません。契約とは、当事者の申込と承諾により成立するものであり、契約書にタイトルが記載されていなくても、合意事項が文書に記載されていれば契約書として有効に成立します。心配であれば、専門家に相談されるとよいでしょう。

質問2

「甲」「乙」の決め方はありますか?

回答2

特にありません。

契約書では、当事者の一方を「甲」、もう一方を「乙」と置き換えるのが通常ですが、一般的に契約書を提示する立場の強いものが「甲」となり、立場の弱いものが「乙」となることが多いですが、相手方を立てるために自社を「乙」とすることもあります。契約書の効力は記載内容により定まるので、甲乙どちらが有利というようなことはありません。実務上は、立場の強いものが「甲」となり、よって「甲」有利な契約書になることが多いと言えます。

質問3

契約書にはどのような内容でも定めてよいのでしょうか?

回答3

原則、どのような内容を定めても構いません。

但し、法律により一定の制限があるものも存在します。当事者間で法律とは異なる定めを設けたとき、それが有効の場合と無効の場合があります。

有効の場合

・法律よりも当事者の合意が優先される場合の法規定を任意規定といいます。

無効の場合

・当事者の合意よりも法律が優先される場合の法規定を強行規定といいます。

契約書に強行規定と異なる定めを設けたとしても、それは無効であり、法律の規定が優先されることになるのですが、任意規定か強行規定かは法文上明らかではありません。従って、高度な法律知識を要する契約書を作成する際は、専門家に相談されるとよいでしょう。

総務省 法令データ提供システム

質問4

印紙を貼らないと契約書の効力は無効になってしまいますか?

回答4

いいえ。契約書に印紙を貼らなくても契約の効力自体は無効にはなりません。

但し、課税文書(契約書に印紙を貼り付けなくてはならない文書)に印紙を貼っていないということは、税金を納めていないことになりますので、その不備が発覚した場合は、その納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額、すなわち当初に納付すべき印紙税の額の3倍に相当する過怠税が徴収されることになります。

課税文書かどうかの判断が分からない場合は、専門家に聞くか、直接税務署に契約書を持参して確認しておくとよいでしょう。

国税庁 印紙税Q&A

国税庁 印紙税額一覧表

質問5

用語の使い方が分かりません。「及び、並びに」「又は、若しくは」はどのように使えばいいですか?

回答5

「及び、並びに」は「and」、「又は、若しくは」は「or」。

3個以上のものを括るときは「A、B及びC」「A、B又はC」と最後に挿入します。

「A and B」and「C and D」→「A並びにB及びC並びにD」

「A or B」or「C or D」→「A若しくはB又はC若しくはD」

のように、括りたいもののレベルに応じて使い分けます。

質問6

「善意」「悪意」とはどういう意味ですか?

回答6

ある事実を知らないことを「善意」、ある事実を知っていることを「悪意」と言います。

法律用語では通常と異なる意味を用いる語句がありますので、注意が必要です。

質問7

利息、遅延損害金はどの位に設定すればよいのでしょうか?

回答7

金銭消費貸借契約には、以下の表のとおり、利息制限法により上限が定められています。

金額 利息 遅延損害金
元本が10万円未満 年20% 年29.2%
元本が10万円以上100万円未満 年18% 年26.28%
元本が100万円以上 年15% 年21.9%

上限利息を超える利息を定めた場合は、その超えた部分は無効となり、元本に充当されることになります。

質問8

裁判管轄とは何ですか?

回答8

紛争が生じた際に、どこの裁判所で争うかを定めるものになります。

例えば、自社が東京で、契約の相手方が大阪の場合、東京の裁判所で争う旨規定しておけば、紛争が生じて裁判になった際は、相手方が毎回東京の裁判所に足を運ばなくてはなりません。裁判を弁護士に依頼するにしても、弁護士の日当や交通費などを勘案すると、争う裁判所が遠隔地にあるというだけで非常に不利となります。

少額訴訟などの場合は、この交通費や移動に要する時間などの損失により、訴訟を諦めなくてはならない状況になってしまったり、遠隔地からあなたの最寄の裁判所まで行く交通費が無駄と思い相手方が素直に支払いに応じる場合がありますので、管轄裁判所は自身の近くの裁判所にするとよいでしょう。

裁判所 管轄区域

質問9

署名と記名の違いは?

回答9

署名は手書きで自らの名称を記載することをいい、記名はワープロ打ちやゴム印などにより自らの名称を記載することをいいます。

署名、記名どちらも印鑑を名称の横に押印するのが慣習となっておりますが、署名は、押印がなくても契約は有効に成立します。署名の場合、裁判の際、筆跡鑑定により本人の直筆かどうかを判定することが出来るのですが、記名の場合、本当に本人が記載したものなのか疑わしいこともあるので、記名には押印がないと契約は有効に成立しません。従って、記名の場合は、契約の有効性を確かに証明するために、実印を押印し、印鑑証明書を添付するとよいでしょう。

質問10

契約書に押す印鑑は何を使えばよいのでしょうか?

回答10

特に定めはありません。認印、実印どちらを使用して構いません。

但し、紛争が生じた場合に、契約がきちんと合意の上交わされていて、当事者本人の合意があったことを証明するために、個人であれば「署名+実印+印鑑証明書」、法人であれば「署名+会社代表印+印鑑証明書」が一番安心と言えます。法人の場合、角印など社版やゴム印を用いることが多々ありますが、重要な取引の契約書は、双方、会社代表印を押印するのがよいでしょう。

質問11

契約書作成後に最終チェックとしてどのような点に注意すればよいですか?

回答11

契約を締結する目的により異なりますが、基本事項と一般的な契約書の中で重要な部分は下記のとおりとなります。


【基本事項】

  • ・誤字脱字がないか
  • ・甲と乙が逆になっていないか
  • ・内容が重複・矛盾している箇所がないか
  • ・条、項、号の使い方が適切か
  • ・主語など適切な文章となっているか
  • ・日付や金額の記載漏れ、記載ミスがないか

【重要事項】

  • ・支払サイクルは問題ないか
  • ・費用はどちらが負担するか
  • ・顧客、機密情報の取扱いはどうなっているか
  • ・再委託可能か
  • ・損害賠償責任、免責規定など責任の所在はどうなっているか
  • ・解約や解除の条件
  • ・契約の有効期限
  • ・管轄裁判所はどこになっているか

質問12

公正証書とはどのようなものでしょうか?

回答12

公証役場という公の機関で公証人が作成する書類であり、私人が作成した書類よりも高い証明力が認められ、公正証書に基づき強制執行が可能となる強力な文書と言えます。

公正証書は、真正なる公文書としての推定を受ける強い証拠力があり、記載された日付は、その日に作られたという公証力が認められます。

そして、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載(強制執行認諾文言)されている公正証書は、金銭の一定額の支払い、又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とするものについては、執行力が認められます。

この強制執行認諾文言付の公正証書のことを執行証書といい、これにより強制執行をすることが可能となります。

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